ワクチン接種
ワクチン接種
帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルスで起こる皮膚の病気です。
体の左右どちらかの神経に沿って、痛みを伴う赤い斑点と水ぶくれが多数集まって帯状に生じます。
症状の多くは上半身に現れ、顔面、特に目の周りにも現れることがあります。
通常、皮膚症状に先行して痛みが生じます。その後皮膚症状が現れると、ピリピリと刺すような痛みとなり、夜も眠れないほど激しい場合があります。
多くの場合、皮膚症状が治ると痛みも消えますが、神経の損傷によってその後も痛みが続くことがあり、これは「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼ばれ、最も頻度の高い合併症です。
また、帯状疱疹が現れる部位によって、角膜炎、顔面神経麻痺、難聴などの合併症を引き起こすことがあります。
加齢、疲労、ストレスなどによる免疫力の低下が発症の原因となることがあります。50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。
シングリックス筋注用(一般名:乾燥組換え帯状疱疹ワクチン)は、帯状疱疹の予防接種に用いられるワクチンです。帯状疱疹を意味する「Shingles」と、製品を開発したグラクソ・スミスクライン社のワクチン製造拠点であるベルギーの地名「Rixensart」との組み合わせで、「Shingrix(シングリックス)」と命名されました。
日本人約1,000名を含む37,000人超が参加した国際共同第Ⅲ相臨床試験の結果、50 歳以上の帯状疱疹に対する予防効果と安全性が評価され、現在では日本を含む世界18ヶ国で使用されています(2022年1月時点)。
※1 ウイルス表面タンパクの一部を抗原とした組換えワクチンで、生ワクチンではない
※2 自家造血幹細胞移植施行者(ZOSTER-002試験)、造血器腫瘍患者(ZOSTER-039試験)、
腎移植患者(ZOSTER-041試験)および固形悪性腫瘍患者(ZOSTER-028試験)
※3 ZOSTER-002およびZOSTER-039試験で評価
・疾病や治療により免疫に異常がある人、免疫機能が低下した人または低下する可能性がある人
・それ以外で、医師により接種が必要と認められた人
以下の場合は、シングリックスの接種を避けなければなりません。該当する事項がある場合は、必ずお伝えください。
上記以外でも、医師の判断により接種が行われない場合があります。
1回0.5mLを2ヵ月間隔で2回、筋肉内に接種します。
標準として、2回目の接種は、1回目の接種から2ヵ月の間隔をおいて行い、
1回目の接種から2ヵ月を超えた場合であっても、6ヵ月後までに行います。
1回0.5mLを1~2ヵ月間隔で2回、筋肉内に接種します。
シングリックスを接種した直後あるいは接種後に、血管迷走神経反射があらわれることがあります。
血管迷走神経反射とは、注射時の痛み・恐怖・興奮などによる刺激が迷走神経を介して中枢に伝わり、心拍数が落ちたり血圧が下がったりする反応のことです。気分が悪くなったり、めまいやふらつき、失神などが起こったりすることもあるため、接種後しばらくは背もたれのある椅子に座るなどして体調の変化に気をつけてください。
頻度の高い副反応としては、注射部位の痛みや腫れ、赤みなどが報告されています。その他、胃腸症状(悪心、嘔吐、下痢、腹痛)、頭痛、筋肉痛、疲労、悪寒、発熱なども報告されています。
また、ごくまれですが、ショックやアナフィラキシーといった重大な副反応が発生するおそれもあります。シングリックス接種後にショックが疑われる症状(冷や汗、めまい、顔面蒼白、手足の冷えなど)やアナフィラキシーが疑われる症状(全身のかゆみ、じんま疹、喉のかゆみ、ふらつき、動悸、息苦しさなど)があらわれた場合は、すみやかに医師による適切な処置を受けてください。
「シングリックス筋注用」は保険適用外の薬剤となり、全額自己負担となります。
【接種費用】 2回 49,500円(税込)→ 1回あたり約25,000円
予防効果は約10年 → 1年あたり約5,000円!
*上記費用は日本人の患者様向けの治療費用です。
外国から来院される患者様は、費用が異なる場合がありますので、お問い合わせください。